サラリーマンの節税対策はスーツの購入?特定支出控除は本当に使えるのか

  • 2018年7月18日
  • 2018年8月1日
  • 税金

スーツを買うだけで節税になる、というふれこみで少し前に特定支出控除という制度が話題になりました。

 

昔と比べて使い勝手がよくなり利用者数も増えたそうですが、本当にいい節税方法と言えるのかどうか。

 

特定支出控除という制度を税理士の目線で検証したいと思います。

 

この記事を読んでほしい人
  • サラリーマンの節税方法が知りたい人
  • スーツを買えば本当に節税できるのか知りたい人
  • 特定支出控除について調べている人
  • 少しでも税金を減らしたい人

 

この記事を読んでわかること
  • スーツを買って節税できるかどうか
  • 特定支出控除が使える制度かどうか

特定支出控除とはなんですか?

ざっくり言うとこんな制度

 

対象者:給料をもらっている人(給与所得者という)

 

対象になる経費:国が定めた特定のジャンルの支出

 

対象になる金額:特定の計算方法で算出した金額を超えた部分

 

ポイントは、計算して出てきた金額を超えた部分というところで、使ったお金の全てが経費になるわけではありません。

 

この超えた部分の金額を経費としてカウントし、税金の計算をするときに考慮してくれる制度となっています。

特定支出控除の対象になる経費

特定支出控除の対象になる経費は、現在のところ以下の8つに限定されています。

 

  1. 通勤費・・・会社から通勤手当が支給されず自分で負担している場合
  2. 転居費・・・転勤に伴う引っ越し代を自分で負担した場合
  3. 研修費・・・職務に必要な技術などを得るための研修費を自分で負担した場合
  4. 資格取得費・・・職務に直接必要な資格を取得するための支出
  5. 帰宅旅費・・・単身赴任をしている人が、家族に会うために自宅に帰ってくる場合の支出
  6. 図書費・・・書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用
  7. 衣服費・・・制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用
  8. 交際費等・・・会社の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待などのための支出

 

あまりにも利用者数が少ないため、これから範囲が広がったりする可能性はあります。

 

2018年の改正で、2020年から「勤務する場所を離れて職務を遂行するために直接必要な旅費等で通常要する支出」が加わります。

 

また、帰宅旅費にあった往復回数の制限が撤廃され、車のガソリン代や高速代も対象となります。

サラリーマンに経費がないというウソ

自営業と違って、サラリーマンは領収書が経費にならないから税金を多く払っていると思っている人がいます。

 

これって実はまちがっています。

 

厳密に言うと経費ではないですが、サラリーマンにも経費のようなものが認められているんです。

 

専門的にそれを「給与所得控除額」といいます。

 

給料をもらっている人に対しては、国があらかじめ年収に応じて控除額を定めているのです。

 

この表に自分の年収をあてはめて、控除額を計算してみてください。

 

 

年収が500万円だと、500万円×20%+54万円で154万円が控除されます。

 

会社から年末にもらう源泉徴収票を見ても、いくら控除されているか確認することができます。

 

 

年収500万円に対して154万円分の控除

 

結構な金額の経費が認められていると思いませんか?

 

広告

 

特定支出控除の計算方法

特定支出控除を受けるための基準となる金額は、給与所得控除額を用いて計算します。

 

具体的には、自分の年収に対する給与所得控除額×50%が基準額になります。

 

この基準額を超えた部分が特定支出控除の対象となります。

 

先ほどの年収500万円のパターンだと、給与所得控除額の154万円×50%=77万円が基準額です。

 

つまり対象となる1から8の経費を年間77万円超、例えば90万円使います。

 

その超えた部分(90万-77万=13万円)が、特定支出控除で認められる経費になるのです。

特定支出控除を受けるためのハードル

会社に届け出て証明書をもらう

このような書類を会社に提出して、その支出が仕事に必要であったことを証明してもらわないといけません。

 

ブラックな会社だと認めてくれなさそうですよね・・・

 

様式はこちらにあります。

 

 

確定申告書を作成し、提出する

特定支出控除を受けるためには確定申告をする必要があります。

 

残念ながら年末調整では、この控除を受けることができません。

 

領収書、レシートの保管も必要で、最終的に税務署にそれらも提出することになります。

 

結構な額の出費が必要

ほとんどの経費が、通常は会社負担になっているものです。

 

しかも出番の多い図書費・衣服費・交際費等については、3つの合計で65万円までしか計算に含めてはいけません。

 

週刊誌などで話題になったスーツ代で節税!というのは難しそうですね。

 

そもそもスーツ代だけで年間65万円もの支出はないですが。

 

経費×税率が節税額

減る税金の額は、特定支出控除の対象となった金額(先ほどの13万円)×税率です。

 

所得税の税率は年収によって変わります。

 

寝屋川の税理士空閑Blog

あなたの年収には、いくら所得税がかかっていますか?   給料からいくら住民税が引かれているか意識していますか?   ほとんどの市町村の住民税は10%ですが、所得税は超過累進税率とい […][…]

 

自身の税率が10%だと、13万円×10%=1.3万円

 

住民税(税率はだいたい10%)を足しても2.6万円。

 

減らないよりはいいですが、そこまで高額にはならないですね。

 

広告

 

まとめ

使い勝手がよくなったとは言っても、はっきり言って全然使えません。

 

そもそも給料をもらっている人には、給与所得控除という制度があります。

 

サラリーマンはこの制度で優遇されているので、特定支出控除が使いやすくなる見込みは薄いのかなと思っています。

 

会社が経費を負担してくれないなら、この制度を利用するより転職してしまうほうがいいかもしれません。

 

サラリーマン向けの節税本です。

 

こっちはガチなやつです。

 

最新情報をチェックしよう!
広告