平成30年からの配偶者控除を税理士がわかりやすく解説します

平成30年から配偶者控除・配偶者特別控除の内容が大きく変わりました。

 

配偶者控除については、顧問先のパートで働いている主婦の方からよく質問を受けます。

 

フルタイムで働いているご夫婦にとっても関係してくる可能性もあるので、税理士が詳しく解説いたします。

 

この記事を読んでほしい人
  • 共働きのご夫婦
  • 産休・育休中の会社員
  • 配偶者控除のことを調べている人

 

この記事を読んでわかること
  • 配偶者控除の内容
  • 平成30年から配偶者控除がどう変わったか

配偶者控除とはどんな制度?

タックスアンサー No.1191 配偶者控除

納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを配偶者控除といいます。

 

配偶者とは、妻または夫のことです。

 

残念ながら、婚姻届を出していない内縁関係だと配偶者としては認められません。

 

控除の金額は、38万円(配偶者の年齢が70歳以上であれば48万円)。

 

この金額に税率をかけたものが、得られる節税効果になります。

 

例:所得税の税率が10%、住民税の税率が10%

 

  • 所得税:38万円×10%=3.8万円
  • 住民税:33万円×10%=3.3万円(住民税の配偶者控除は33万円)

 

3.8万+3.3万=7.1万円、配偶者控除を受けると税金が安くなると考えます。

 

納税者と控除対象配偶者の関係性は、このようになっています。

 

納税者:夫 → 控除対象配偶者:妻

 

納税者:妻 → 控除対象配偶者:夫

 

パートナーが、専業主婦・専業主夫であるときだけでなく、共働きであっても年収によっては控除を受けることができます。

 

わたしは独立1年目が大赤字だったので、給料収入と個人事業の売上がありましたが、妻の確定申告で配偶者控除を受け、税金を還付してもらいました。

平成30年から配偶者控除はどう変わったか

配偶者控除の適用を受けるためには、配偶者の年収がポイントになってきます。

 

基準となる年収が、平成29年以前と平成30年以降で大きく変わりました。

 

俗に言う「103万円の壁」というものに変更があり、「150万円の壁」になったのです。

 

これまで配偶者控除を受けるための年収の制限が103万円だったものが、150万円に変更されました。

 

なお、年収の関係で配偶者控除が受けられなくても、配偶者特別控除という制度の適用もあるため合わせて表を作成しています。

 

配偶者特別控除の年収の制限も、141万円から201万円に変更となっています。

 

平成29年以前は、年収別の控除額はこの表のようになっていました。

 

 

年収が103万円以下だと配偶者特別控除、年収が103万円超だと配偶者特別控除の適用が受けられます。

 

配偶者特別控除は、年収が105万円を超えると徐々に控除額が減っていき、141万円からは0になるという仕組みです。

 

平成30年からは次の表のようになり、納税者の年収でも制限がかけられるようになりました。

 

こちらは、納税者の年収が1,120万円以下のパターンです。

 

 

平成29年までと違って、配偶者の年収が150万円未満でも38万円の控除を受けることができるように。

 

次は、納税者の年収が1,120万円超、1,170万円以下のパターン

 

 

最後に納税者の年収が1,170万円超、1,220万円以下のパターン

 

 

配偶者の年収が103万円以下でも、納税者の年収によって受けられる控除の金額が減っているのがわかるかと思います。

 

なお、納税者の年収が1,220万円を超えると配偶者控除・配偶者特別控除ともに受けることができなくなりました。

 

年収が高い層への増税が、しれっと行われた結果です。

 

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配偶者控除と共働き世帯

配偶者控除の適用上限が引き上げられたとはいえ、フルタイム勤務の共働き世帯には関係ないケースが多いでしょう。

 

ただし、妻が産休・育休に入ったときは、相手の年収をチェックしてみてください。

 

共働きだと配偶者控除の適用を意識することがないので、チェックを忘れてしまいがちです。

 

産休・育休中は、無収入になることがほとんどだと思います。

 

1月から3、4月くらいまで働いて、そこから産休・育休に入るようなケースだと意外と要件にあてはまっているかも。

 

特に平成30年からは改正で上限が引き上げられたので、なおさら適用を受けられる可能性が広がりました。

 

なお、出産育児一時金や育児休業基本給付金に所得税はかからないので、妻の年収を確認するときは含めなくて結構です。

配偶者の年収の確認方法

会社員、パート・アルバイトが年収を確認するには、正式には源泉徴収票というものを使います。

 

赤枠で囲った支払金額が、いわゆる年収に該当するところです。

 

ただし、退職したとき以外は、この源泉徴収票が作成されるのは年末です。

 

育休・産休に入っても会社に籍は残りますので、源泉徴収票が渡されるのは年末になるかと思います。

 

年末までに妻が配偶者控除の対象になるか知りたいときは、平成30年の給与明細を利用してください。

 

毎月の月給などを足すことで、おおよその年収がわかります。

 

通勤手当は所得税の対象にはなりませんので、年収を計算するときには含めなくて大丈夫です。

 

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平成30年に配偶者控除を受けるためにすること

年末調整

会社員の方だと自分で確定申告をすることはあまりなく、会社が代わりに所得税を計算してくれます。

 

年末調整といい、給与所得者の扶養控除等申告書を会社に提出することで、会社が税金を計算します。

 

平成30年分は、平成29年の11月頃に配られ、12月中に提出しているかと思います。

 

赤枠で囲ったところにパートナーの名前を書くと、年収が一定額以下であれば年末調整で配偶者(特別)控除の適用が受けられます。

 

 

平成29年の提出時に空欄のまま提出していたとしても、配偶者控除の適用は受けられます。

 

平成30年に入って、事情が変わったときにあらためてこの書類を経理に提出してください。

 

普通の会社であれば妻が配偶者控除の対象になったのでと説明すれば、配偶者控除を適用してくれます。

確定申告

年末調整で配偶者控除の適用を受けるのを忘れたときは、確定申告で配偶者控除の適用を受けることができます。

 

年末調整が済んでいて、配偶者控除の適用だけを忘れていたときは、先ほどの源泉徴収票があれば確定申告はできます。

 

年末調整をしていなかったときは、生命保険などの控除証明書も用意しましょう。

 

確定申告書は、国税庁のホームページで簡単に作成することができます。

 

確定申告の時期になれば、住んでいる地域で確定申告書の作成をサポートしてくれる取り組みも行われます。

 

市役所のホームページなどに情報が掲載されるので、無料のサポートを上手に活用してください。

配偶者控除を受け忘れていたときにすること

見直したら3年前なら配偶者控除を受けられた、もったいないことしたなーって方もいらっしゃるかと思います。

 

安心してください、3年前だったらまだ大丈夫です。

 

納めすぎた(給料から引かれすぎている)税金を返してもらう手続きに還付申告があります。

 

通常の確定申告は、毎年決められた期間(2月16日から3月15日)の間に行われます。

 

しかし、還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。

 

3年前(平成27年)の翌年(平成28年)から5年間ですので、平成32年12月31日までに提出すればいいということです。

 

今年の12月31日で期限が切れるのが、平成25年分の還付申告です。

 

 

平成26年以降はまだ期限まで時間がありますが、後回しにすると忘れてしまいます。

 

気づいたときに片づけてしまいましょう。

 

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まとめ

配偶者控除の適用範囲が広がったことで、これまで適用を受けていなかった人でも対象となる可能性がります。

 

会社の経理の人も税金に詳しいわけではないため、このことを知らないことがあります。

 

年数万円の節税になるかもしれないので、見逃してしまうとかなりの損ですよね。

 

配偶者は専業主婦・専業主夫だけど自分の年収が高くて、逆に配偶者控除の適用が受けられなくなる可能性もあります。

 

間違って配偶者控除を受けていたときは、税務署から連絡があり訂正してくださいと言われます。

 

税金を追加で納めたりと結構なストレスになるので、適用を受けられるか受けられないか自分で判断できるようになりましょう。

 

本でがっつり勉強したい方は、こちらがおススメです。

 

 

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