バイトのまかない無料は違法ってホント?

  • 2018年7月25日
  • 2019年5月26日
  • 税金

バイトにまかないを無料で食べさせていることが違法になるって知っていましたか?

 

飲食店のオーナーからすれば、まかないを無料にすることでバイトを集めることができます。

 

バイトを探している人にとっては、無料でまかないを食べられることがバイト先を選ぶ理由の一つになるでしょう。

 

しかし、場合によってはまかないを食べた人に対して税金がかかってくるので注意が必要です。

 

飲食店オーナーの方は、無料のまかないが税金のリスクを生むことを覚えてくださいね。

 

この記事を読んでほしい人
  • 飲食店の経営者
  • 飲食店の店長

 

この記事を読んでわかること
  • まかないに税金がかかるケース
  • まかないに税金がかからないようにする方法
  • バイト先のまかないが無料でない理由

バイトのまかないが違法ってどういうこと?

まかないは、所得税という税金の対象になります。

 

法律には、次のように書かれています。

 

所得税法 第三十六条

 その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。

 

給料とは、お金で払っているものだけだと思いがちです。

 

しかし、所得税では、経済的利益(何かの形で得をすること)にも税金をかけると考えます。

 

バイトをすることで無料でご飯が食べられたら、一食分のお金が浮くので「得」をしていますよね。

 

この「得」のことが法律に書かれている経済的利益のことです。

 

その「得」をお金に換算して、税金をかけると税務署は言っているということです。

 

それではまかないを無料にしている場合のリスクについて考えてみましょう。

飲食店オーナーがまかないを無料にする税務リスク

まかないの材料代なんて一人あたり200~400円にしかならないから大したことないよって思わないでくださいね。

 

次のようなケースだと、1年間で考えるとそれなりの金額になります。

 

・毎日5人のバイトが働いている

・月の営業日数は25日

・まかないの材料代は300円

 

5人×25日×300円×12か月=45万円

 

税務署は、最低でも3年分の申告書をチェックします。

 

すると、45万円×3年で135万円。

 

もっとバイトを雇っていたら、もっと材料代をかけていたら、と考えるとかなりの金額になるでしょう。

 

まかないを無料で提供している税務リスクを、甘く考えてはいけません。

 

従業員には、まかないを無料で食べていたことで得をした分が給料として扱われるので、その分に所得税がかかります。

 

飲食店オーナーには、本来従業員の給料から天引きするはずであった源泉所得税の支払いもれが発生します。

 

その支払いがもれていた所得税に対しては、不納付加算税(10%)という罰金がかかります。

 

税務署に指摘された時点で辞めている従業員に対しても、この計算は行われます。

 

辞めた従業員からその分を返してもらうことはなかなか難しいでしょう。

 

辞めた従業員から徴収できない分は最終的に、オーナーが負担することになります。

 

次に税務署に文句を言われるリスクを避けるための方法をご紹介します。

 

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まかないに税金がかからないようにする

実は、まかないに必ず所得税が課税されるというわけではないのです。

 

所得税法基本通達を見ると、一定の場合には経済的利益はないものとして税金がかからないことになっています。

 

所得税法 基本通達36-38の2

食事の支給による経済的利益はないものとする場合

 使用者が役員又は使用人に対して支給した食事につき当該役員又は使用人から実際に徴収している対価の額が、当該食事の価額の50%相当額以上である場合には、当該役員又は使用人が食事の支給により受ける経済的利益はないものとする。

 ただし、当該食事の価額からその実際に徴収している対価の額を控除した残額が月額3,500円を超えるときは、この限りでない。

 

要件は2つあり、いずれの要件もクリアーしている必要があります。

 

  1. 従業員が食事(まかない)の金額の50%以上を負担していること
  2. 会社または事業主が負担した金額が月額3,500円以下であること

 

会社または事業主が負担した金額は、(食事の金額-従業員が負担した金額)で計算します。

 

食事(まかない)の金額は、

  • お店で調理して支給する場合はその材料代
  • 弁当などを購入して支給する場合はその購入価額

 

まかないの材料代から従業員がお店に支払ったお金を引いた残りが、お店が負担すべき金額です。

 

そのお店が負担すべき金額が、一ヶ月で3,500円以下でないといけないということです。

 

【税金がかからないケース】

・バイト1人につき、1ヶ月で7,000円分の材料代を使ってまかないを出した

・バイトから、3,500円のまかない代を徴収した

 

【税金がかかるケース】

・バイト1人につき、1ヶ月で10,000円分の材料代を使ってまかないを出した

・バイトから、3,500円のまかない代を徴収した

 

材料代が10,000円かかっていたら、バイトからは6,500円徴収しなければ要件が満たせないということになります。

 

徴収していなければ10,000円全てがバイトの給料とみなされ、所得税がかかります。

 

では、実際にまかないを食べさせているときはどうすればいいのでしょうか?

バイトのまかない問題はどうすればいいか

余った食材で作るまかないの材料代を毎回計算するのは、現実的ではありません。

 

ただお店側でも、ある程度の金額設定をしてまかないを作っていると思います。

 

その金額をベースにして、従業員から50%の食事代(安全策を取るなら60%)を徴収してください。

 

曜日ごとにまかないのメニューが決まっているなら、そのメニューをもとに金額を設定しましょう。

 

月曜日のまかないは常にこのメニューにしている、といったお店のルールを証拠資料として残しておくといいでしょう。

 

また、まかないは税金の対象になるケースがあることを従業員に教えてください。

 

急にまかない代の徴収をすると言うと、不満が出て簡単にはできないなんてこともあるでしょう。

 

徴収する金額と同額を特別手当のような形で支給すると、従業員の手取りはそれほど減らないので納得してくれるかもしれません。

 

ただし、その特別手当は所得税、住民税の対象となってしまいますが。

 

いっその事、まかないを廃止するのもいいかもしれませんね。

 

もし手当を支給するなら、就業規則も改定してください。

まとめ

まかないが無料だと違法になることを知っていただけたかと思います。

 

それは所得税で得をした分には税金をかけると決められているからでした。

 

ただし、まかないの材料代等の50%以上を従業員からもらっていると違法ではなくなることもわかりましたね。

 

あとオーナーの負担額は1ヶ月で3,500円以下に抑える必要もあります。

 

一回一回のまかない代が少なくても、従業員が数名いて複数年に渡って計算すると結構な金額に。

 

税務署にその金額を指摘されるとそこそこの税金を追加で支払うはめになるでしょう。

 

税務調査が入る前にしっかりとルールを整備しておきましょう。

 

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